追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~

前にバンジャマンから聞いたのは、導師とは本来水の精霊憑きを聖女に導く者のことであり、教会に君臨する者ではないということだ。

モニカはすでに己の導師に出会っているとも言っていた。

シュナイザーにその自覚はなかったようで驚いている。

「俺が導師か。皮肉だな」

また顔を曇らせた彼をモニカは不思議に思い、影が差す翡翠色の瞳を覗き込もうとしたが急に辺りが暗くなった。

モニカのロッドが消えたのだ。

しかしながら自分の中に聖女の強大な力は感じるので、ロッドは必要に応じて出すことができるようだ。

「モニカ、俺は――」

「うん?」

シュナイザーがつらそうな声でなにかを言いかけたが、ワッと沸いた歓声に邪魔された。

「聖女様だ!」

「奇跡よ!」

モニカの力を目撃した群衆が興奮してこちらに向かってくる。

「モニカ様、そこにいらっしゃるのですか?」

灯台からはナターシャがよたよたと下りてきて、翼の傷ついた翼竜も主のもとに舞い降りる。

ふたりの周囲は一気に賑やかになり、聖女の日を祝っているかのようだった。



モニカが覚醒してから一週間が経った。