追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~

波がまた山のように持ち上がり、モニカは灯台の窓からそこに乗り移った。

ナターシャは驚きすぎて、半ば放心状態である。

波を操り地上に足をつけたモニカは、シュナイザーと向かい合う。

「無事でよかったわ」

ホッとして微笑んだモニカはロッドを操り、濡れた彼の軍服もすぐに乾かしてあげた。

けれどもシュナイザーは苦しげに眉間の皺を深め、掠れた声を絞り出す。

「覚醒してしまったのか」

「私に覚醒してほしかったんでしょ?」

「……ああ」

これでロストブとの交渉に入ることができ、彼が望む革命は成し遂げられるだろう。

それなのに残念そうな顔をされ、モニカは首を傾げた。

落ち込んでいるようにも見えた彼だが息をついたその後は、本心を隠すかのように口角を上げた。

「モニカに助けられるとは俺もまだまだだな。だが聖女に覚醒したのは怪我の功名というべきか。よくやった」

大きな手がモニカの頭を撫でる。

子供の頃によくそうしてもらったと思い出し、モニカはフフと笑った。

「私の導師様はあなただったのね」