追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~

人波をかき分けるようにして飾りを売る出店の前に立つ。

紙や布で作られた玉やリボン、ガーランドは室内に吊るす飾りで、精霊や聖女をかたどった置物もたくさんある。

どれも水色、緑、赤、白の四色で、三体の精霊と聖女を表している。

「なっちゃん、飾りを少し買っていいかしら?」

ほくほく顔で四色の玉を手に取ったモニカだが、思い直して戻し眉尻を下げた。

聖女の日は今日なので明日には飾りを取り外し、次に使うのは来年だ。

その頃モニカはこの世にいないかもしれない。

(一日だけのために買うなんてもったいないわ)

モニカがなにも言わずともナターシャは気持ちを察したようで、モニカが戻した玉を指さして売り子に声をかけた。

「これをください。リボンとガーランド、リースも」

「なっちゃん、そんなに!?」

「飾り付け楽しいですよ。実家にいた頃、兄弟たちと競って飾りました。戻ったら私とふたりでお祝いしましょう。お菓子もたくさん買って今夜は夜更かし決定です」

「そうね、せっかくだもの楽しまなくちゃ!」

ナターシャのおかげで笑顔を取り戻したモニカだったが――。

「あれはなんだ?」