追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~

『モニカ……汝の命を惜しめ……』

「え、私の命を惜しめというの? 聖女は大災厄を鎮めて死ぬ運命なのにどうして?」

『惜しむ心より……』

「ごめんなさい。聞き取れないの。どうしたらいいのかしら」

大きくため息をついたらナターシャが横に立ち、モニカの肩にそっと手を置いた。

振り向くと心配そうな目の彼女が、無理して口角を上げている。

「昼食も取らずにずっと机に向かっていらっしゃいますけど、お体を壊しますよ。なにか口になさってください。少し早いですがお茶の時間にしましょう」

「ありがとう。でも食欲がないの。なっちゃんは自由にしていいのよ。私のことは放っておいて」

気を使ったつもりがナターシャの顔を曇らせてしまい、モニカは慌てた。

「ごめんなさい。なっちゃんをないがしろにしているわけじゃないのよ。私が精霊と対話中は退屈すると思って――」

「モニカ様、お出かけしましょう」

「え?」

眉間に力を入れたナターシャに、腕を取られて立ち上がらされた。

強引に寝室まで連れていかれ、キャビネットから出した外套を羽織らされる。