追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~

リースや精霊をかたどった置物を飾り、家族でご馳走を食べ、子供たちはおもちゃや本などのプレゼントをもらえるらしい。

城下の民が祝日を楽しむ中、モニカは自室の居間で机に向かっていた。

暖炉には赤々と炎が揺れ、柱時計は十五時をさしている。

この国の法律やマナーは一通り学び終えたので勉強しているのではなく、精霊と会話しているのだ。

バンジャマンにもらったあのガラス玉を握って額に当て、モニカは頭の中に響く声に集中する。

『我の力を……足りん……』

相変わらずブクブクと水音が邪魔をしてうまく聞き取れないが、まだなにかが足りなくて精霊の名を聞く資格がないのはわかった。

「どうすればいいの? 私は今年中に覚醒しなければならないのよ」

今はシュナイザーへの怒りや悔しさをほとんど感じない。

愛されたいという欲を捨て諦めの境地に入れば、彼の策略に進んでのろうという気持ちになれた。

(覚醒してロストブのみんなを救いたい。その過程で私の身柄と引き換えに改革を約束させたっていいじゃない。ロストブがいい方に変わるんだから反対しないわ)

そう自分に言い聞かせ、一層精霊の声に耳を傾ける。