ワクワクと胸を高鳴らせたモニカが一気に膨らんだ希望をぶつけたら、シュナイザーの眉間に皺が寄った。

「おい、ベルナール」

そう呼ばれたのは貴族風の青年だ。

「縄持ってこい」

「縄なんかないよ。なにに使うのさ」

「道中、逃げないように、この好奇心のかたまりを縛っとく」

(ひっ!)

モニカはハンズアップで首を横にブンブンと振った。

悪役のようにニヤリと笑ってみせたシュナイザーはやはり噂通りの男なのかもしれない。

そう思い直し、彼のもとに嫁ぐ自分の身を案じたのであった。