追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~

泣きそうな顔のダリアが父親の後を追い、小走りにホールから出ていった。

玉座に向けた盛大な拍手と賛辞が続く。

「あのゴウランガ公爵が反論もできずに出て行ったぞ。二年前のご即位時に並みの青年貴族ではないと感じたのは正しかった」

「威風堂々とはまさに陛下のためにあるような言葉ですな。なんと頼もしい」

「公爵の傲慢さに辟易していたのよ。私たちは陛下に感謝しなければならないわ」

これまで皇帝に対し反対派と呼ばれていた者たちまで拍手しているのは、単なる保身のためと思われるが、それを差し引いてもシュナイザーはこの件でより多くの味方を得たことになる。

モニカはホッとしつつ感心していた。

(退位させられるかとヒヤヒヤしたのに、逆手にとって敵を排除してしまったわ。随分と余裕のある顔をして、まるで全てが想定内だったかのように……あ、そういうことね)

ベルナールが使用人を走らせてハンスを呼びに行き、駆け付けたハンスがなんの戸惑いもなく風を吹かせる演技をしてみせた。

三人は万が一の場合を考えて、あらかじめ打開策を相談していたのだろう。

「私にも教えておいてほしかったわ」