皆はなにも感じていないだろうが、モニカは嫌な予感にハラハラし始めた。
(なにかされそうで落ち着かない。気のせい?)
公爵は敵だとシュナイザーから教えられたことで、必要以上に警戒してしまうだけなのか。
不安げな目を隣に向けたが、椅子に座り直したシュナイザーは公爵から視線を逸らさない。
その顔に緊張がにじんでいて、彼もモニカと同じ気持ちでいるようだ。
「リクエスト曲は『リベルト殿下のためのカルテット』。弾けますかな?」
その言葉にホールがざわついた。
ピアニストの青年も驚きのあまり、言葉なく公爵を見つめている。
音楽知識の薄いモニカは意味がわからないながらもただならぬ雰囲気に怯え、シュナイザーの腕に触れた。
するとその手を握ってくれた彼が、眉間に皺を寄せて小声で説明してくれる。
「カルテットは四重奏。ピアノ一台では演奏できない。だが問題はそこではない。リベルト殿下は前帝の嫡子で、二年前に暗殺された皇太子だ」
今から二十八年前、リベルトが五歳の誕生日を祝してこの曲が作られた。
(なにかされそうで落ち着かない。気のせい?)
公爵は敵だとシュナイザーから教えられたことで、必要以上に警戒してしまうだけなのか。
不安げな目を隣に向けたが、椅子に座り直したシュナイザーは公爵から視線を逸らさない。
その顔に緊張がにじんでいて、彼もモニカと同じ気持ちでいるようだ。
「リクエスト曲は『リベルト殿下のためのカルテット』。弾けますかな?」
その言葉にホールがざわついた。
ピアニストの青年も驚きのあまり、言葉なく公爵を見つめている。
音楽知識の薄いモニカは意味がわからないながらもただならぬ雰囲気に怯え、シュナイザーの腕に触れた。
するとその手を握ってくれた彼が、眉間に皺を寄せて小声で説明してくれる。
「カルテットは四重奏。ピアノ一台では演奏できない。だが問題はそこではない。リベルト殿下は前帝の嫡子で、二年前に暗殺された皇太子だ」
今から二十八年前、リベルトが五歳の誕生日を祝してこの曲が作られた。


