追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~

城での食事では、給仕のメイドに必ずワインが必要かと尋ねられる。

モニカはいつも断って、水かオレンジジュースを頼んでいた。

ロストブで一度、ワインを口にして気分が悪くなったからだ。

シュナイザーには話したことがないのになぜ知っているのだろうか。

それはわからないがモニカは機嫌を直してフフと笑った。

「なんだ?」

「いいえ陛下。なんでもありません」

ダリアを誘うことで間接的にモニカを助けたベルナールと違い、シュナイザーは直接的だ。
スマートではなくても自分に向けられるまっすぐさに惹かれ、グラスを取り上げられたことさえモニカは嬉しく思うのだった。

それから一時間半ほどしてダンスは一旦休憩となる。

その間、グランドピアノが一台ホールの中央に運ばれてきて、大陸一の天才ピアニストと評されている青年が演奏する。

その流麗な調べにうっとりと耳を傾ける貴族たち。

玉座の隣に椅子が用意され、モニカはシュナイザーの隣に座って演奏を聞いた。

(貴族の遊びって優雅ね。こんな風にピアノを聞いたのは初めてよ)