追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~

ダリアは真に受けずとも令嬢たちに嫉妬されて気分がいいらしく、ベルナールに手を重ねダンスの誘いに応じた。

(困っていた私を助けてくれたのはわかるけど……)

それにしても貴族男性はあんな風に女性を口説くのかとモニカは驚いていた。

(シュナイザーもああいうことを言うのかしら?)

それは嫌だと思いながらシュナイザーの姿を探すと、ダンス中の彼と視線が交わった。

ダンス相手の令嬢に微笑してなにかを話した彼は、すぐに中断してモニカの方へ歩いてくる。

その眉間には軽く皺が寄っていた。

「ひとりにするなとベルナールに言っておいたのに」

「あ、ベルナールさんは」

モニカが説明する前に、シュナイザーはダリアと踊る彼を見つけ、すべてを理解して嘆息した。

それからモニカの両手のシャンパングラスに気づくと、両方取り上げ一気に飲み干した。

近くにいた貴族がギョッとしてそれを見ている。

「お前に酒はまだ早い」

子供扱いされたとモニカはムッとして言い返す。

「私だってお酒くらい」

「飲めるのか?」

「飲めません」

「だろ。オレンジジュースにしとけ」