追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~

その紙をせっせと折って作ったのは紙飛行機だ。

子供の頃そんな遊びをした覚えはないのになぜか折ることができ、五つの紙飛行機を手にモニカは裏門へ近づいていく。

それを門の外へ向けて次々と飛ばせば、門兵ふたりの視線がそちらへ向いた。

「鳥か? 虫か?」

ひとりが正体を確かめようと持ち場から外れ、もうひとりの前にはタイミングよく大柄な従僕が許可証を差し出し入城を求めている。

(今だわ!)

鼓動を速めつつもすまし顔をしたモニカは、なるべく普通に歩いて門を通り、外に出たら一気に駆けだした。

「あ、おい、君!」

後ろに門兵の声がしたけれど、追ってこなかった。

城への侵入者ならどこまでも追いかけるのだろうが、出ていく方には甘いようだ。

しばらく走って大きな道に出たモニカはホッと胸を撫でおろし、近くの乗合馬車停留所に向かう。

もちろん鶴亀亭に行くためだ。

(あら? でも開店前だわ。あと三時間くらい、どこかで時間を潰さないと)

どこへ行こうかと考えていたら、道の反対側を歩く女性に目が留まった。

三十代くらいの街の女性は大きな買い物袋を提げていて、モニカは駆け寄って声をかけた。