静かな居間でモニカは壁際の机に歩み寄り、法律の本に伸ばしかけた手を止めた。
(今がチャンスかも)
ここのところナターシャは起床から就寝までモニカのそばを離れない。
まるで命令を受けて見張っているようなのだが、モニカはそうは思わず、一緒に過ごせることを純粋に喜んでいた。
けれども脱走しにくいのだけは困りものだ。
(なっちゃんごめんなさい。先生も許してください)
午前中は教師役の女官が来るが、今しかないとモニカは机から離れて寝室に駆け込む。
外出の際にいつも着ている水色のエプロンドレスは、ナターシャに取り上げられないようベッドの下に隠していた。
その生地がなぜか冬物の厚地に変わっていたけれど、急いでいるので気にする余裕はなく着替えをし、一番シンプルなデザインのショールを羽織って自室を出た。
朝は皆忙しいようで、顔見知りのメイドとすれ違ってもどこへ出かけるのかと声をかけられることなく、モニカは通用口から外へ出て裏門の近くまでやってきた。
食材の搬入や通いの使用人が頻繁に出入りする裏門の方が、反対側の正門より門番の目を欺きやすい。
近くには使用人宿舎がある。
(今がチャンスかも)
ここのところナターシャは起床から就寝までモニカのそばを離れない。
まるで命令を受けて見張っているようなのだが、モニカはそうは思わず、一緒に過ごせることを純粋に喜んでいた。
けれども脱走しにくいのだけは困りものだ。
(なっちゃんごめんなさい。先生も許してください)
午前中は教師役の女官が来るが、今しかないとモニカは机から離れて寝室に駆け込む。
外出の際にいつも着ている水色のエプロンドレスは、ナターシャに取り上げられないようベッドの下に隠していた。
その生地がなぜか冬物の厚地に変わっていたけれど、急いでいるので気にする余裕はなく着替えをし、一番シンプルなデザインのショールを羽織って自室を出た。
朝は皆忙しいようで、顔見知りのメイドとすれ違ってもどこへ出かけるのかと声をかけられることなく、モニカは通用口から外へ出て裏門の近くまでやってきた。
食材の搬入や通いの使用人が頻繁に出入りする裏門の方が、反対側の正門より門番の目を欺きやすい。
近くには使用人宿舎がある。


