追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~

『やっと見えた? おいらの名を教えてもらって覚醒するなんてズルいな。まぁいいや。よろしくシュナイザー。君においらの力を貸してあげる。正しいことに使っておくれよ』

水の精霊憑きだけでなく、風も火も覚醒できる。

覚醒とは精霊が持つ強大な魔力を借りる資格を得ることで、そのためには名を聞く必要があった。

精霊は正しい力の使い方ができそうな者にしか姿を見せないし名前も教えない。

だからシュナイザーは、モニカの洗脳を解いて自分の意志で力を使わせようと仕向けてきたのだ。

「ウインドル、来年までにモニカを覚醒させたいんだ。モニカに憑いている精霊の名を知らないか?」

呼びかけたら大抵返事をしてくれるのに、シュナイザーの胸に聞こえるのは寝息のみ。

「寝たふりかよ」

どうやらウインドルは知っているのに教える気がないようだ。

ため息をついて顔を上げたら、羨ましそうなベルナールと視線が合った。

「俺は火の精霊と話せない。姿も見えない。教会の洗脳なんか修練所にいた時から解けているのになにが足りないっていうんだよ」

「覚醒できる者はまれなんだ。仕方ないさ。そうだよな、ハンス」