追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~

シュナイザーに舌打ちされたベルナールはごまかすような笑みを浮かべ、急にうやうやしい態度を取る。

「陛下、私は決裁済みの書類を処理して参ります。では後ほど」

「おい!」

「ナターシャも一緒においで」

驚くナターシャの背に手を添えてベルナールがホールを出ていくと、後には気まずそうなシュナイザーと頬を膨らませたモニカが残された。

一歩、彼から離れてモニカが眉を寄せる。

「陛下は『俺はなんでも知っている』と仰っていましたけど、私を監視していただけだったんですね」

「怒るな。護衛は必要だろ」

「それなら護衛の方と一緒に外出しますので許可証をください」

今後ナターシャに迷惑をかけずに堂々と外出できるのならそれもいいかと思い、モニカは機嫌を直して口角を上げた。

けれどもシュナイザーにため息をつかれる。

「これまでは目を瞑ってやったが状況が変わったんだ。当分は城から出るな」

「当分っていつまでですか?」

「俺がいいと言うまでだ」

(何か月も鶴亀亭に行けないかもしれないの? そんなの嫌よ)

モニカが肩を落としたら、再び腰を引き寄せられた。

「キャッ!」