追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~

ベルナールとは平気だったのに、こんなにも照れくさいのはなぜだろうか。

美々しくも精悍な顔がすぐ近くにあり、夜空の散歩でキスされた時のことを思い出してしまうからなのかもしれない。

(どうしよう。顔が熱い。心臓が口から飛び出しそう)

一方、シュナイザーはムッとすることもなく平静を装っているが、ベルナールはからかうのをやめない。

「違わないだろ。この前だって鶴亀亭の従業員にモニカをとられるんじゃないかって心配してたじゃないか」

(ドニのこと? とられるってどういう意味?)

「いざとなったら尾行がバレてもいいから邪魔しろってハンスに頼んでたし、嫉妬深いな」

「ベルナール!」

シュナイザーが焦ってこっちを見たが、意味の分かっていないモニカはポカンとしたままだ。

ベルナールはひとりだけ余裕のある顔でハハと笑った。

「いくらなんでもモニカだって気づいてるでしょ。『腹減ったからモニカの後ろの席で飯も食ってきた』ってハンスが言ってたし」

「えっ。私、ハンスさんに尾行されていたんですか?」

これにはベルナールも驚く。

「気づいてなかったんだ。感心するほど鈍感だな」