追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~

「素直ないい反応だね。広いだろ。このホールは舞踏会用だ。君たちの婚約を公表する際に舞踏会を計画している」

「えっ、舞踏会で婚約発表?」

着飾った国中の貴族が集まり、宮廷楽士の奏でる曲にのって一斉に踊る光景は圧巻だろう。
モニカは想像して冷や汗をかく。

ダンスはまったく踊れないからだ。

「私、ダンスなんて……」

「うん。そうだと思ったから呼んだんだ。練習相手になってあげるよ」

なにも心配いらないと言いたげにベルナールがにっこり微笑んでくれて、モニカはホッと胸を撫でおろす。

ナターシャは三拍子を刻む役で、その手拍子に合わせてモニカはベルナールに手取り足取りワルツを教わった。

「ええと、こうしてこうで……」

シュナイザーよりいくらか小柄で細身だが、ベルナールは青年らしい逞しさを持っている。

加えて優しげな甘いマスクの美男子なので、普段のモニカなら照れてしまい、こんな風に体を密着させられないだろう。

けれども今はダンスを覚えなければと必死で気にならない。

「そうそう。上手だよ。ここでターンしてみよう。うっ」

「ごめんなさい!」