追放された水の聖女は隣国で真の力に目覚める~世界を救えるのは正真正銘私だけです~

サイズ直しをして近日中にまた訪問すると話し、仕立て屋の親子は帰っていった。

ミルクティーでひと息入れていたらまたドアがノックされ、対応に出たナターシャがメイドから言付けをもらってすぐに戻ってきた。

「モニカ様、スプラドア宰相がホールにてお待ちだそうです」

覚醒の儀の時にシュナイザーに同行していた彼を忘れていないが、首を傾げてしまう。

貴族で宰相という偉い立場にある彼が、モニカになんの用があるというのだろう。

ともかくナターシャと共に急いで一階の南棟にあるホールまで行き、両開きの大きなドアを両手で引っ張って開けた。

「お呼びと伺ったんですが……わぁ!」

三百人がダンスを踊れそうな広いホールは天井にシャンデリアがいくつも下がり、床や飾り柱は白大理石だ。

浮彫の壁には巨匠画家の絵画が金の額縁に入れられて飾られ、バルコニーへ繋がる開口の広い窓の向こうには美しい秋の前庭が広がる。

中ほどまで駆け入って感嘆の声をもう一度あげると、笑い声がした。

モニカが振り向けば、ドアの横の壁から背を離したベルナールが近づいてくる。