(会いたがったらいけないと思っていたけど、今すごく会いたい。両親のいるロストブを守りたい)
胸の奥で水音が聞こえた。
静かだった泉の水面に波が立ち、心がざわめいた。
苦しくなって咄嗟にドレスの胸元を握ろうとしたら、どんぐりがころころと地面に転がった。
「せっかく拾ったのに」
しゃがんでどんぐりを拾い集めているとまた夢中になり、故郷への心配は薄れてしまう。
『足りん。まだその時ではない……』
胸の奥の精霊の声もモニカの耳には届かなかった。
そのあとモニカはほくほく顔で自室に戻る。
柱時計は九時をさしていてそのガラスを拭いていたナターシャに駆け寄り、ハンカチを広げて見せた。
「なっちゃん、どんぐりときれいな葉っぱを拾ってきたわ。どんぐりって帽子をかぶっているみたいで可愛いわよね。どこに飾ろうかしら」
ナターシャは雑巾を下ろして苦笑した。
「そのままではいけません。一度茹でないと」
「食べないわよ?」
「どんぐり虫が入っているんですよ。そのまま飾ると中から――」
ヒッと乾いた悲鳴を上げたモニカはハンカチごと手を離してしまい、どんぐりがころころと転がった。
胸の奥で水音が聞こえた。
静かだった泉の水面に波が立ち、心がざわめいた。
苦しくなって咄嗟にドレスの胸元を握ろうとしたら、どんぐりがころころと地面に転がった。
「せっかく拾ったのに」
しゃがんでどんぐりを拾い集めているとまた夢中になり、故郷への心配は薄れてしまう。
『足りん。まだその時ではない……』
胸の奥の精霊の声もモニカの耳には届かなかった。
そのあとモニカはほくほく顔で自室に戻る。
柱時計は九時をさしていてそのガラスを拭いていたナターシャに駆け寄り、ハンカチを広げて見せた。
「なっちゃん、どんぐりときれいな葉っぱを拾ってきたわ。どんぐりって帽子をかぶっているみたいで可愛いわよね。どこに飾ろうかしら」
ナターシャは雑巾を下ろして苦笑した。
「そのままではいけません。一度茹でないと」
「食べないわよ?」
「どんぐり虫が入っているんですよ。そのまま飾ると中から――」
ヒッと乾いた悲鳴を上げたモニカはハンカチごと手を離してしまい、どんぐりがころころと転がった。


