『姉ちゃんの手料理おいしいのに
食べないなんて。
コーチはもったいないことを
してるよね』
『冷凍しなくていい。
俺たちが食べきるから。
ボール追いかけまくって
腹すきまくってるし』
そう言って
ガツガツ食べてくれたのは
亮くんと優くんなりの
慰めだったんだ。
ほんとお姉ちゃん思いの
優しい弟達。
ヤバい。
弟たちの優しさに触れたら
涙が止まらなくなっちゃった。
お客さんだらけの
バイト先のカフェで、
泣きたくないのに。
誰にも泣いてるなんて
思われたくなくて
うつむき
セーターの袖を
指先まで上げて、
こぼれる涙をぬぐい去る。
そんな私に、桜ちゃんが
冗談声を飛ばしてきた。



