「あっ…あのね……」
勢いで言葉を紡いでみた。
それなのに
「これ……」
弱々しい桜ちゃんの声と
私の声が重なってしまった。
「璃奈からでいいよ……」
「えっ? ううん。
桜ちゃんから先にどうぞ……」
人に譲ってしまう私の癖。
こんな時に出ちゃったことに
後悔が湧きあがる。
先に言うべきだった。
時間がたてばたつほど
言えなくなる。
マックスに膨らんだ想いを
伝えるための勇気は
穴が開いた風船のように
どんどん
しぼんでいってしまうのに。
桜ちゃんは
頬杖えをつきながら
「じゃあ、俺から言うわ」と
背中を丸めた。



