「私には見えるよ」
「何をですか?」
「璃奈ちゃんが永遠に
桜牙君の隣で微笑む姿」
そう言いながら
お姉さん笑顔を
プレゼントしてくれた店長。
彼女の笑顔は
吹雪に耐え咲く野花を照らす、
太陽みたい。
私の心の奥まで照らされて
じわじわと
幸福感で包まれていく。
「私に見える未来は
それだけじゃないけど」
「ん?」
「命尽きるまで私のカフェで働く
璃奈ちゃんの姿も、はっきりと見えるよ」
「……」
「だから私のことも、
永遠によろしくね」
ヤンチャ笑顔を浮かべ
私のほっぺにを
ツンツンした店長は
「そろそろ店に戻るわ。
璃奈ちゃん、グッドラック」
願いを叶える流れ星のように
声を煌めかせ、
休憩部屋から出て行った。



