「虹、探さなくちゃですね」
「璃奈ちゃん、本気?
海と山はダメで、空はいいの?」
「なんか、ダメでした?」
「私の改造バイク、
空飛ぶ機能は
ついてないんだけどなぁ」
店長のゲラゲラ笑いが、
カーテンで遮られた
着替えルームまで響いている。
「ほんと璃奈ちゃんの脳内、
理解不能だわ~。
お腹痛い。笑った。
まだ笑える。もうやだぁ~」
と、涙声交じりで。
しばらくして
笑い声が聞こえなくなったと
思ったら
「ねぇ、璃奈ちゃん」
店長の真剣声が
カーテンを揺らした。
私はカーテンを開け
店長を見つめる。



