私……
「このカフェに就職したくて
スプーンキャッチの技を
磨いたけど……」
「そんな技を身につけなくても、
履歴書を受け取った時点で
合格決定だったわよ」
ニヒヒと笑った店長。
並びの良い真っ白な歯を
やんちゃな子供みたいに
煌めかせている。
「大好きって想いを込めた笑顔を
プレゼントできる子は、
絶対に深く愛してもらえるの。
だから自分に自信をもって、
好きって気持ちを
彼に伝えておいで」
「でも……」
桜ちゃんには
彼女さんがいるし……
「ふられちゃうと思うと……
怖くてたまらないし……」



