俺の気持ちに気づけよ、バーカ!



「彼女とですか?」

「一人で」

「そんなはずないですよ。
 だって桜ちゃん、
 カップルだらけのこの店には
 入りたくないって、
 よく言ってるし」

「まぁ~。
 イブでイチャイチャだらけの
 この店に、
 男一人で現れたんだから。
 どんだけメンタル強いの?って、
 お姉さん、褒めてあげたいわ」


テレ屋の桜ちゃんが?

本当に
一人でいるんですか?


「それこそ、
 彼女さんと
 待ち合わせなんじゃ……」


私なんかが現れたら
『俺の邪魔するな!』って
怒られちゃうかもしれないし……


「彼に注文を聞いたの。
 なんて答えたと思う?」


「えっ?」

 なんだろう?


「ミルクティーと
 『美甘璃奈』を
 お願いしますだって」