俺の気持ちに気づけよ、バーカ!


「本当に天然なんだから、
 この子は。
 こんな美人顔で
 こんなに性格いいのに。
 なんで自分の魅力に
 気づかないかなぁ?」


わ…、わわっ?

「きゅ…、
 急に褒めないでください」


褒められるのなんて
慣れてなくて……

「嘘でも、
 恥ずかしくなっちゃい
 ますから!」


「フフフ。私は思ったこと以外
 口にしないって、
 知ってるでしょ?」


知ってますけど……


「私の知り合いを
 紹介できない理由、
 まだわかんない?」

「……はい」

「一途すぎなのよ。
 璃奈ちゃんは」

「一途…ですか?」

「璃奈ちゃんの透き通った
 キラキラな心は、
 一人の男の子に
 占領されてるでしょ?」


……それって

「桜ちゃんのことですか?」

「そう」


机に頬杖をついた店長が
穏やかに微笑んでいる。