俺の気持ちに気づけよ、バーカ!



「世間の男どもは、
 私の外見に
 惑わされてるだけよ」

「えっ?」

「カフェで働く時って、
 この大人可愛いメイド風エプロンを
 つけてるでしょ?
 黒いレースたっぷりの」

「はい」

「だから私、24時間
 笑顔で癒してくれる女だって
 勘違いされやすいの」


制服マジックかぁ。

わからなくもないなぁ。


「実際は、家でビール片手に
 スルメくわえてプロレス見てる、
 三十間近で女子力ゼロの
 どうしようもない女なのにね」

「極悪な本性まで
 愛し抜いてくれる男と
 出会いたいわ~」

と、ため息を漏らした店長は、

「男の知り合いが
 こんなに多くてもダメね。
 璃奈ちゃんを
 幸せにしてくそうな人は
 一人もいなかったわ」

と、苦笑いを追加した。