「それは
桜ちゃんが働いたお金でしょ?
自分のために使ってよ」
「俺だって泊まった日は、
璃奈ん家でご飯食べさせて
もらってるんだぜ。
それなのに
スーパーの買い物の時ですら
俺に1円も出させねぇじゃん」
「桜ちゃんには、優くんと
亮くんがお世話になってるもん。
ご飯は、そのお礼だから」
「ご飯だけじゃ
安いくらいだよ」と
微笑んだ璃奈は
俺と向かい合うように
こたつに座り込んだ。
こたつの中。
璃奈の足が
どう伸びているか
見えない状況。
触れちゃったら
どうしよう。
ドキドキが加速する。
それなのに……
俺のドキドキを返せよ!
自分の部屋にいる時まで
俺に気を使うなよ!
いつもより
座高が高すぎる璃奈は、
明らかに正座状態。
足、こたつに
突っ込んでねぇし。
俺の心配、無意味だったし。



