璃奈の心の中が読めない
この状況。
「こっ、こたつ温かいよ。
私の部屋
せせっ…狭いけど……
どうぞどうぞ」
たどたどしい日本語と、
無理やり作った
璃奈の笑顔が重なって
『俺に特別な感情でも
抱いてくれてんの?』
錯覚せずにはいられない。
前、サッカーの時
ある母親に聞かれた。
『クリスマスは
彼女と過ごすのか?』って。
その時
『クリスマスツリー
綺麗だね』って
俺に微笑む璃奈の顔が
はっきり浮かんで。
璃奈がサンタの
ワンピースなんか着たら
他の男に見せたくなくて
誰もいない部屋に
連れ込むだろうなって
暴走する自分の姿まで
映し出されて。
『桜牙君。
今、好きな子のことを
思い出してたでしょ?』
普段なら無視する質問に
『まぁな』と
素直に答えしてしまった。



