「嘘ですわね!!!そんな理由じゃないはずですわ。例えばピンクハート王国との繋がりが欲しかったんじゃなくて?」



するとクロは少し驚いた顔をした。



「ふふっアリア姫様・・・実に聡明なお方ですね。そうです、あなたの言う通りですよ」



やっぱり・・・。

前にちらっと聞いたことがあるのよね。

ブラックハート王国はピンクハート王国と仲良くなりたいとかってね!!



「で、(わたくし)を誘拐なんてして許されると思っているのかしら?」

「大丈夫です。安心して下さい。表向きは誘拐じゃありませんから」


は?どういうことよ?



「どういう意味なのかしら?」



ああ!!もうお嬢様言葉は疲れるって!!!



「アリア姫様はブラックハート王国の王子にメロメロと言うことになっております」と笑顔で言うクロ。



はぁ~~~~っ!!!!!!

なんで私がアンタにメロメロなのよ!!

アンタなんか好きじゃないっつ~の!!!



「そんなこと誰も信じないですわ」

「ふふっそれがみなさん信じてしまったみたいですが」

「嘘よ!!!」

「残念ですが、嘘ではありません」



コイツ~~~今すぐボッコボコに殴ってしまいたい!!!

って言うかなんでみんな信じるわけ?



「で・・・結局あなたはなにがしたいんですの?」

「私はアリア姫、あなたを私の妃にと思っております」



妃?

妃ってアレ!!!

王妃?

結婚ってこと?

ありえない!!!

って言うか私ってばこの世界でモテモテじゃん♪

ってこんな馬鹿なこと思ってる場合じゃないって!!!!!



(わたくし)はあなたと結婚なんて出来ないわ」

「どうしてですか?」

(わたくし)が結婚したいと思うのは、あなたじゃないからですわ」

「もしかして、他に思っておられる人がいるのですか?」

「ええ、そうよ」

「誰なのですか?」


なんでアンタに教えなきゃいけないのよ!!



「あなたに言う義理はないわ」

「そうですか・・・。わかりました。いずれ分かりますから」

「ねぇ・・・いいかげんに私の国に帰してくれないかしら?」

「そのお願いはきけませんねぇ・・・」

「じゃあ、(わたくし)は、いつまでここにいればいいのかしら?」

「そ・れ・は・・・」



勿体(もったい)ぶらずに、早く言ってよね!!



「それは?」

「あなたが私との結婚を承諾した時ですかね」



あのう・・・それじゃあ私は死ぬまでここにいなきゃいけなくなるじゃない!!!

アンタとは結婚なんて死んでもしたくない・・・。


それに甲斐以外の男と結婚なんて出来ないし!!!!!