恋と旧懐~兎な彼と私~

日曜日,外は相変わらず暑い。
            
相手が気を使わなくて良い相手なだけあって,私は私の好みのおしゃれをしていた。
             
首から左肩まで開いている,肩だしの薄い長袖。            
              
首のところがチョーカーみたいになってるやつで,結構気に入ってる。  
              
それから膝くらいの,茶色をベースにした黒のチェック柄スカート。    
            
そして,底が白い,黒の厚底スニーカー。
              
せっかくの首もとがスッキリ見えるように,髪はお団子にしている。  
           
軽めにお気に入りの香水もプッシュ。
             
私の格好なんて今更気にするやつでもないし,気が楽だ。      
             
私は幼馴染みの家に向かう。   
             
徒歩30分。

稀代のめんどくさがり屋でダメ人間な私には遠すぎた。   
           
ーピンポーン…………    
             
いないのかと思うほど静まり返った家。
              
2分ほどして,私はまたインターフォンを押す。          
             
              
            
「はぁぁい」       
              
               
                
……気の抜けた声に,一瞬イラッとした。