恋と旧懐~兎な彼と私~

     
              
暁くんはあんまり喋らない。
              
               
              
「友達って言うか…幼馴染みってやつ? 久しぶりに遊ぶんだよね」  
               
               
              
あってるけど,言い慣れないんだよねこれ。
              
              
                
「それって……」      
             
             
            
弘が何か考えるようにして口を開いたとき,周りの人がガタガタと一斉に動き出す。
           
           
            
「あっ時間だ! じゃあね!」
           
             
              
同じくチャイムの音を聴いた私も,教室をあとにした。
              
               
             
「ん。まぁいいや」     
             
               
               
そんな弘の声を聴きながら。