「今日も行くの?」



太陽が真上に来た頃,綺麗な落ち着いた声が私に問いかける。

昼休みだ。



「うん! 行ってきます! 陽菜も楽しんでね!」

「うん。行ってらっしゃい」



青野 愛深(あおの うみ)15歳。

私は元気よく答えて,彼氏と昼御飯の予定の彼女も笑ってくれた。

彼女は私の友達。

山中 陽菜(やまなか はな)と言って,高校に入ってから一番よく一緒にいる子。

優しくて可愛くて大好き。

小中の時は,諸事情や自身の性格から好きなときに好きな子のところへ行くということをしていた。

けれど,たまたま私以外の子がこの学校のこの学科を受験しなかったために,人見知りをする私はそんなことあまり出来なくなった。

だから,この学校にいる間の唯一の支えは陽菜。

他にも何人か友達はいるけど,一番安心できるのはこの子のそばなんだ。

他の子は信用できないとかじゃなくて,皆大好きだけど相性って言うか……まぁ相手の反応が大きい。

この子には甘えてもいい,この子にはたくさん話しかけて大丈夫……この子とはこのお話を。

そうゆうのって,あるでしょ?

いろんな積み重ねで,陽菜のそばが一番心地よいと感じただけ。

親友って呼んでもいいのかな? 

ちょっとドキドキする。