恋と旧懐~兎な彼と私~

放課後になって



「愛深,じゃあね?」



机にだらんとしている私に陽菜が声をかける。



「ん。またね」



私がそう返すと,廊下から何やらどたばたと音がした。



「愛深っ愛深!」

「もうなに。今度はどうしたの」

「俺っ俺! きっき自販機が小銭で!」

「落ち着いて。なに言ってんのか全く分からないから」



そこに変なテンションの健くんがやって来る。



「はいそこ,離れなさ~ぁい。現行犯ですよー」

「うるさ。調子乗りすぎ」

「あ,愛深。俺ら同盟くんだから」



そこには暁くんと弘の姿も。



「それは前も聞いたけど。なんの同盟?」

「「妹を見守り隊。ついでにふぉいの行方を見守ろうの会」」



同盟じゃなくなってるし。

なんでそんなあやふやな設定で声が揃うのか謎。

ちょっとおバカな兄弟みたいだ。



「ふぉいってなに」

「「それは秘密」」  「知らなくて良い」

「暁くんは知ってるの?」

「……知らない」



もう私は笑うしかない。