恋と旧懐~兎な彼と私~

「おでこにキスは照れるよね~」



~っちょっ声,でかい!!



「ちっ違うからね,暁くん! 年長さん,年長さんの時の話だから! おままごとの延長で,慧が褒めて欲しがった時の」



アワアワと弁解して,グリンと慧を見る。



「慧は,褒めてほしんだよね!? これでどう!?」



私は背伸びをして,わしゃわしゃと慧の頭を撫でた。



「うん,ありがと。愛深に褒められると昔から,なんでか元気でる」

「そう?」



でも,と慧は続ける。



「昨日も思ったけど,その顔,止めた方がいいよ? 使ったことないから分かんないけど,そそる? から。あの辺の男が。気を付けてね?」



指されたところを見ると,そこには異様に慌てる男子数名が。

そそる? その顔?



「赤くして,涙ためるの。今みたいに見上げるのはもっと良くないと思う」



真面目な顔して言う慧に,意味の分からない私。

すると,ぐいっと暁くんに腕を引かれる。



「……授業始まる」