コツコツコツ……。

遠くから足音が聞こえてくる。それはまたあの地獄が始まる合図だ。俺や、檻に入れられている他の奴らが恐怖を押し殺すのがわかる。

コツコツコツ……。

足音は俺の独房の前で止まった。今日、おもちゃにされるのは俺なんだ。絶望、恐怖、悲しみ、苦しみ、あの痛みを思い出して涙が流れてくる。

「出ろ」

鍵を開けられ、男が命令する。俺が「嫌だ!」と言って出ようとしなければ、命令した男の両隣にいた男二人が俺の腕を掴み、無理やり独房から引きずり出される。

他の奴らの哀れみを込めた目で見送られ、無理やり歩かされる。一歩を踏み出すために体が震え、まだ何もされていないのにズキズキと体のあちこちが痛み出す。

「入れ」

この施設の一番奥にある分厚い扉の中に押し込まれれば、待っているのは地獄のみだ。俺の体は血がこびりついた柱に縛り付けられ、それを見て男たちが笑う。その手にはムチやライター、さらにナイフが握られていた。