「女だからって下に見られるのはおかしいよね！」

女性社員のお茶を淹れるのを手伝いながら言うと、「本当にそうですよね！」と明るい目で女性社員は口を開く。

「そういうのを言ってくれるのって、エレンさんだけですよ！女なんだから家事全部やれとか、お茶淹れろとか、意味わかりませんよ。男だって女の腹から産まれてきたっていうのに……」

「うんうん、そうだよね。そういうのっておかしいよね。女性はもっと輝くべきだよね」

女性社員の愚痴を聞くのが俺の役目の一つだと思っている。俺は男だけど、女性だからと言って差別するような人間にはなりたくない。男女は平等であるべきだ！

最近では、男女平等を訴える声も大きくなっていて、テレビをつければそういう活動をしている人はたくさんいることがわかる。かっこいい……。

「エレンさんがいなかったら、私、とっくの昔に会社やめてました」

「そう言ってもらえて嬉しいよ。優秀な人がいなくなったら会社は回らないからね」