神と人々に呼ばれ、崇められている特別な存在は実在する。だが、その存在に人間が会うことができるとすれば死後なのだが。

「ねえ、暇だよね〜!」

神の仕事部屋である広い一室で、一人の神がソファにだらしなく寝転び、ポテトチップスを頬張る。人が想像する慈悲に満ち、神々しいオーラを纏った姿とは程遠い姿であり、休日にダラけるサラリーマンと変わらない。

「確かに暇だよな」

「毎日、毎日、何億といる人の人生を見てるだけだもんね」

他の神も退屈だと言い、仕事から離れていく。そして全員でダラけていた時、一人の神が言った。

「そうだ!これから見る人間を何度も転生させて、人生を俺たちでいじってやろうぜ」

人の人生をまるで退屈しのぎのおもちゃのように言う神を誰も咎めない。それどころか「面白そう」と口々に言い、サイコロや人間が遊ぶすごろくを取り出す。

「それじゃあ、こいつの人生で遊ぼっか」

神々の目の前に、とある男性の人生が映し出された。