私は別れたくなかった。楽しかった日々を忘れられないから。優しかった彼が忘れられないから。

またいつか戻ってくるんじゃないかって期待していたから。だけど3ヶ月経っても現状が変わることは無かった。




「別れよう、彼方(かなた)もう付き合えない」

私はようやく伝えた。多分なんとなく予想はついていたと思う。


「今の私たち一緒にいる意味ある?」



いくら時間を重ねても終わる時は一瞬だった。沢山泣いて考えた。別れるのが怖くもあった。

日常が大きく変わってしまうのは怖かった。離れるのもとても怖かった。捧げていたものが大きかったから、虚無感もあった。


それでも別れなければ私たちのためにはならないと思った。



「もうおれのこと好きじゃない?」
「好きじゃない」


というのは半分嘘かもしれないか。好きかと聞かれたらあの時のように自信満々に答えられない。けれど、嫌いかと聞かれたら嫌いとも答えられない。

もう付き合えないのは確かだった。