「や……それは……っ」



そういえば、抱きしめる機会もかねてデートの約束をしたよね。

今日で藍澤先輩との距離がもっと縮まっちゃうかな……っ。



「さっそく。行こうか、歌桜」

「はい……っ」



歩きだした藍澤先輩の隣に並んで、駅に行く道を進んだ。

いつもと違う服装にドキドキと胸が鳴る。

雰囲気が変わるだけで変に緊張しちゃうな。


まさにデートって感じ……。

そうだ。

今からどこに向かってるんだろう?



「今日はどこに行くんですか……?」



お出かけの日のお楽しみということで、行き先はまだ知らされていない。

藍澤先輩を見れば、いたずらっぽく笑った。



「まだ内緒。きっと、歌桜が楽しめる場所だよ」



隠すのが上手い……!

ますます気になっちゃうよ。