階段を降りて、リビングのモニターを見た。
そこには、黒いカーディガンを羽織った私服の藍澤先輩がいた。
ボタンを押して返答する。
「はーい」
『藍澤です。歌桜を迎えにきました』
よく聞こえるようにとカメラに顔を近づけて話しかけてくれた。
画面越しに藍澤先輩がドアップで映ってドキッとした。
「あっ、わたしです! すぐに行きます!」
返事をして、玄関でくつに履き替えた。
ドアを開けると、いつもと違う姿の藍澤先輩が待っててくれてる。
「お待たせしました……っ」
軽くペコッと頭を下げて、見上げた。
すると、藍澤先輩はびっくりした顔で頬を赤らめてた。
「……やば。想像以上に可愛い」