わたしから藍澤先輩に会いに行くなんて初めてだ。

いつもは教室や家まで来てくれてたから……。


階段を曲がって進むと、芸能人の周りに人が集まってるみたいに女の子に囲まれてる人がいた。



「えっ……!」



よく見るとその人は藍澤先輩だった。

クラスの子もいれば、見知らぬ子もいる。


す、すごい。
もしかして、みんな藍澤先輩にプレゼントしに来たの……?



「やばい人気だね。さすが生徒会長」

「うん……」



女の子が積極的にグイグイ押してる。

あの中には入れそうになさそう……。


放課後に会えるなら、そのときのほうが渡しやすいかな……。



「歌桜は感心してる場合じゃないよ! あげるんでしょっ?」