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次の日の朝。
眠い目をこすりながら階段を降りると、お母さんが慌ててやってきた。
「歌桜! イケメンくんが待ってるよ!」
「えっ!」
イケメンくん……?
朔夜くんのことは名前で呼んでるし、朝からいきなりかっこいい人がうちに来るなんて……。
「はい……」
ぽけぽけしたまま玄関のドアを開けると、凛々しい姿の藍澤先輩がいた。
「おはよう、歌桜。迎えにきた」
むか……え?
……え!?
「……藍澤先輩!?」
びっくりしすぎて、目を見開いた。
そのおかげで頭が覚める。
な、なんでこんな時間にここに……!