わたしを迎えにきてくれた。



「うわさをすれば……! 楽しんでね、歌桜!」



グッジョブと親指を上げてウインクする。



「華恋ちゃん、ありがとう」



バイバイをして、凌玖先輩のところまで駆けつけた。



「お待たせしました!」

「ん。行こっか。俺に着いてきて」



細くて綺麗な手を差し伸べて繋いでくれた。

わたしもきゅっと握ってそれに応える。

絡めた指から伝わってくる体温ですら愛おしい。



「今日は……どこに行くんですか?」



顔を上げて凌玖先輩を見た。

凌玖先輩から『行きたいところがあるんだ』と言われてから、まだ聞いてない。

予約もしてくれてるみたいだし、準備が必要なところかな?



「まだヒミツ。歌桜に喜んでほしくて」