悲しそうな顔をして聞いてきた。

そんなことない。

わたしがちゃんと集中しなかったから……。



「違いますよ」



凌玖先輩のせいじゃない。

ぜんぜん、悪くない……。



「わたしが、凌玖先輩と離れて集中できなかったからです……っ」



恥ずかしかったけど、自分のせいにしてほしくないから、思いきって伝えた。

離れた理由を……ちゃんと話そう。



「集中……? 俺と、離れたから?」

「……はい。凌玖先輩の成績が悪くなったって聞いて、わたしのせいだと思って。

だから、凌玖先輩に勉強時間をとってほしくて、わたしが勉強に集中したいことにしました」