補習になるよりも凌玖先輩と離れているほうがわたしにはショックが大きくて、しゅんと肩を落とした。

……そしたら。



「待ってください、先生」



ずっと向けてほしいと思った優しい声がわたしの耳に入ってきた。

そちらを見れば、わたしの手をとる凌玖先輩がいた。

距離を置いてたはずなのに、どうして……?



「話聞こえました。小雛さんの勉強なら、私が教えます」



真剣な横顔がわたしの目に映る。

凌玖先輩が、わたしに勉強を……?

ちゃんと勉強時間を確保してもらうために離れてたのに、それじゃあ逆効果だよ……!



「そんなの、申し訳ないです……!」