それで、今までみたいに話せるとは限らない……。
今日もどこにも寄らず帰ろうと思った。
歌桜が隣にいないのは寂しい。
会わなくたって、ずっと歌桜のことばかり考えてる。
歌桜は俺の生活の一部になってるからな……。
そんなことを考えて廊下を歩いていたら、歌桜の後ろ姿が見えた。
歌桜……?
一瞬、目を疑ったが、細くて綺麗なあの後ろ姿は間違いなく歌桜だった。
先生と話してるようで歌桜からは俺が見えていないから、会わないためにそっと手前の昇降口へ向かおうとしたら、会話が耳に入ってきた。
「今日の小テスト、けっこうやばかったぞ。期末に反映するところだから明日から補習な」