たった1回だけ頬にキスをしただけなのに、嬉しさを噛み締めているのが伝わってきた。

嬉しい……。

わたしも凌玖先輩におでこにしてもらったときは、ずっとその感覚が残ってた。


同じ気持ちだったら……いいな。



「……ね、歌桜」



ふわっと甘い香りがしたと思ったら、凌玖先輩が立ち上がった。

わたしが見上げる番になって、ゆっくり顔が近づいてくる。

も、もしかして、今のお返しにキスしちゃう……とかっ?