凌玖先輩をさりげなく誘って、中庭のイベント会場に着いた。
すごい人が集まる中、マイクを持った司会の文化祭実行委員が声を上げた。
「ただいまより、告白大会を開催します! エントリーした方はステージへお願いします」
ついにこのときが来た。
実は、あまりにも凌玖先輩に想いを伝えられなかったので、イベントの機会をチャンスに、事前にエントリーをしていた。
もちろん、凌玖先輩にも内緒で。
たぶん参加すると言ったらわかっちゃうだろうけど、それでも凌玖先輩に伝えたいから。
「凌玖先輩はここで待っててください」
「……え? 歌桜?」
「ステージに行ってきます」