階段をのぼってる足音が聞こえた。
こっちに来てくれるんだ……!
ど、どこだろう……。
「ここは……」
なに室っていうの……?
朔夜くんに目線を送ったら、小声で「C棟の3階角の教室」と教えてくれた。
いつも使ってる教室はA棟で、B棟やC棟は移動教室のときに使われるから、文化祭でも模擬店の範囲が限られてる。
「C棟の3階です。西側のほうの」
『……わかった。そのまま電話繋げてて』
それから1分もしないうちに、パタパタとスマホから聞こえる足音が廊下からも聞こえてきた。
大きくなっていき、音がなくなったかと思ったら教室のドアが開いた。
「歌桜……!」
必死な顔で、わたしを見つけてくれた。