文化祭のイベントに関しては生徒会が仕切ってるから、いちばん頼れるのは凌玖先輩だ。

クラスだけじゃなく、全体フォローにも入らなきゃいけない。


それでも、わたしのために時間を作ってくれてたんだ。



「わかった。指示だけしに行くよ」

「お願いします!」

「歌桜。ちょっとイベントの手伝いしてくるから、教室で友達と待っててくれる? 終わったら文化祭まわろう」



残念だけど、そんな顔を凌玖先輩に見せたら心配かけちゃう。



「……はい。お手伝い、頑張ってください」



だから、できるだけ笑顔を返した。



「ありがとう」



わたしを信頼してくれているような凛々しい表情を見せてくれた。

本当はふたりでいたかったなんてわがままは言えない。


凌玖先輩はわたしの教室まで送ってくれて、そこから中庭に行った。